【北斗星乗車記★彡】リピーター・イラストレーター鈴木周作の旅日記 › 北斗星乗車記 › 【08.12/11】北斗星(下)●札幌移住5周年の節目に
2008年12月14日
【08.12/11】北斗星(下)●札幌移住5周年の節目に
322回目●08.12/11発 下り「北斗星」 上野→札幌(B寝台下段)
積年の北海道移住の夢がようやく叶えられたのは5年前の今日の事。
最後に東京を離れるのは絶対に「北斗星」でなければ!とずっと心に決めていました。
学生時代から11年間住み続けたマンションを引き払ったその日の晩、上野駅から、これが最後になるであろう札幌行き「北斗星1号」のB個室に落ち着いた時の何ともいえない気持ちは今でも忘れられません。
夢が叶った嬉しさよりも、新天地への期待や希望よりも、本当に生きていけるのかという切実な不安のほうが遥かに大きかった気がします。
あれから5年の節目の今夜、もう一度、あの日と同じ道程を辿ってみる事にしました。
積年の北海道移住の夢がようやく叶えられたのは5年前の今日の事。
最後に東京を離れるのは絶対に「北斗星」でなければ!とずっと心に決めていました。
学生時代から11年間住み続けたマンションを引き払ったその日の晩、上野駅から、これが最後になるであろう札幌行き「北斗星1号」のB個室に落ち着いた時の何ともいえない気持ちは今でも忘れられません。
夢が叶った嬉しさよりも、新天地への期待や希望よりも、本当に生きていけるのかという切実な不安のほうが遥かに大きかった気がします。
あれから5年の節目の今夜、もう一度、あの日と同じ道程を辿ってみる事にしました。
5年前と同じ「北斗星」…とは言っても、「北斗星1号」は3月のダイヤ改正で減便・廃止に。
食堂車をはじめ客車も随分組み替えられてしまいましたが、でもやっぱり「北斗星」は「北斗星」。
今もこうして走り続けてくれている事に感謝すべきでしょうね。
アルコールは本当に全くダメなんですが、今日ばかりはグラスワインを1杯だけ…。
「少なめで…」と念を押して頼んではみたものの、これでもかなり酔いが回ってしまいました。
今回もちょっとした変化を発見!
今年の春以降は機関車の前後に1枚ずつ、客車と繋がっている側にも取り付けられるようになっていた本州内の機関車のヘッドマーク。
ふと見ると客車側の1枚が無くなって、列車先頭の1枚のみになっていました。
円盤状のプレートを機関車のフックに掛けてボルトで固定するだけなので、青森で折り返す時に付け替えれば事足りるわけですし、客車側は連結すれば隠れてしまうので何等問題はないのですが…でも今まであったものが見えなくなると何だか不思議な気がします。
青函トンネルを抜けた後、行き違いの貨物列車の遅れの影響で茂辺地、上磯で臨時停車。
函館到着は9分ほどの遅れとなりました。
「世界最長の青函トンネルを抜けて、定刻通り北の大地を駆け抜けております…」などと、しばしば旅情溢れる車内放送で楽しませて下さる函館の車掌さんですが、さすがに列車が遅れた時は「只今9分ほどの遅れで…」と、シンプルで実務的な案内に徹されるようです。
少しでも遅れを回復すべく、函館ではいつもより急いで機関車交換を済ませて慌しく発車です。
下り列車のお楽しみ、大沼国定公園から眺める駒ケ岳は残念ながら垂れ込めた雲の中でしたが、森に近付くにつれ徐々に雲も薄くなり、やがて森を過ぎて車窓後方を振り返れば噴火湾の向こうに雪を抱いた雄姿がくっきりと浮かんでいました。
あっ、駒ケ岳ってこんな風に見えるんだ!と新たなポイントもいくつか発見。
今後の創作にも大いに参考になりそうです。
長万部を過ぎるとすっかり陽も差すようになりました。
洞爺あたりで少し遅めの朝食へ。
食堂車の大きな窓の向こうでは、穏やかな海も、積もったばかりの新雪もキラキラと輝いていました。
こんな目がくらむような風景に出会ったのも随分久々のような気がします。
あぁ北海道っていいなぁ!北海道に住んで本当に良かったなぁ!!と、しみじみ感じ入ってしまうような光景でした。
移住5周年の節目、何か記念になるものが欲しいなぁ…と思いながらもなかなか見付からずにいたのですが、案外身近なところに格好のモノがありました。
車内限定・牛革製キーホルダー3千円也♪
もう10年以上も前からちょっと気にはなっていたものの、何となく手を出す機会が無かった一品です。
なまじリピーター故の、こういうグッズ類はいつでも買えるという妙な安心感に加えて、贅沢というほどではないものの、まぁ、また今度でもいいかな?と思ってしまう微妙な金額。
でも逆にこういう日の記念にするには正に打ってつけと言えそうです。
(今日を逃すとまた数年は買う機会は無いでしょうし…)
手のひらに収まる程良い大きさとしっくりとくる重み。
何だか使ってしまうのが勿体ないような気もしますが、でもこれはコレクションとして仕舞っておくべきものではないでしょう。
本物の「北斗星」の客車たちのように、ボロボロになるまで大事に使い続けてあげたいと思います。
5年前のあの日、粉雪舞う札幌駅のホームに降り立つ自分自身の姿を夢想しつつやってきたものの、暖冬でまるで雪が無く拍子抜けしたのを覚えています。
つまらぬ拘りと笑われそうですが、雪の無い街から移り住んできた私にとって、新天地への第一歩はやっぱり雪の中に踏み出したいなというのが本音でした。
今日の札幌はイメージ通りの粉雪模様。
5年越しの夢が叶ったようでちょっと嬉しくなりました。
本当に生きていけるのか?と不安を抱きながら始まった私の北海道生活も、沢山の御縁に支えられてどうにか軌道に乗せることができました。
もう乗る事も無いだろうと思った「北斗星」にも、こうして今も乗り続けているのはご承知の通りです。
結局、出発地が東京から札幌に変わっただけで、「北斗星」との御縁はまるで変わらなかったみたいですね(笑)。
でも、振り返ってみると既に人生の半分以上を「北斗星」の傍で過ごしてきて、そして私の人生に関わるような御縁の多くが必ずどこかで「北斗星」とも繋がってきたという事実。
決して冗談でも誇張でもなく、私の人生、もし「北斗星」と出会っていなかったら全く違うものになっていたのは間違いありません。
本当に色々な事が起こった今年の「北斗星」、どうやらこれが年内最後の乗車になりそうです。
また来年も、沢山の素晴らしい出会いに恵まれますように…。
ありがとうございました!!
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(Mobile)
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(PC)
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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 13:49
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