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2012年03月11日

【12.3/11】北斗星(上)●あれから一年…。

乗車399回目●12.3/11発 上り「北斗星」 札幌→上野(B個室ソロ)


 実は1年前の3月11日、あの震災の日の上り「北斗星」には私の大切な友人が乗務するはずでした。
 差し障りがあるといけないので所属・職種は差し控えますが、次の乗務先ではとても楽しみな事があるんだと、前日、ちょうど札幌市内で開催中だった私の個展を訪ねてきて嬉しそうに話してくれたのを覚えています。
 結局、その後2ヶ月以上に及んだ運休期間中に友人は職場を移ることになり、再び「北斗星」に乗ることは叶いませんでした。
 なので、あの被災地の惨状と共に、私の中では心ならずも列車を離れた友人の無念がずっと棘のように胸の内に残っていました。
 あれから一年…。
 友人の代わりに…というわけではありませんが、あの時出発できなかった「3月11日発の上り列車」に乗って行くことが、私にとってはある意味、ひとつのケジメのような気がしています。
 明朝、車窓から被災地に手を合わせてこようと思います。



 すっかり日も長くなってきました。
 JRタワーの向こうに沈む夕陽に見送られて、ほぼ定刻通り札幌を発車しました。


 今回も寒波襲来、荒天の予報で少々心配したのですが、幸い数分程度の遅延で順調に走り続けています。
 しかし伊達紋別で行き違うはずの下り特急「北斗17号」が結局現れなかったので、場所によってはもしかしたら結構乱れているのかも知れません。

 洞爺を過ぎると6号車ロビーカーでオレンジカード・記念グッズの販売が始まりました。
 既報の通り、3月末で終了してしまう札幌車掌所によるオレンジカード販売。
 東京滞在中の切符代にとしばしば購入させて頂いたのですが、こうして車内で買わせて頂けるのもいよいよこれが最後です。


 いつもは車窓から見える五稜郭タワー、函館山のあかりが今夜は見えませんでした。
 たまたま雪に隠れていたのか、それとも追悼の為に消されていたのでしょうか?
 函館到着はほぼ定刻、ホームには湿った雪が降り続いていました。


 深夜0時過ぎ、ほぼいつも通りの時刻に青森信号場に到着。
 今月17日のダイヤ改正以降は、これまでここで行われていた機関車交換作業が青森駅に変更になり、それに伴い本州内での編成の向きも逆転することになります。
 上り列車では青森から先、業務用の電源車が最後尾に来ることになるので、こうして1号車・最後尾デッキから車窓を眺めることもできなくなってしまいます。
 今後の創作の参考の為にも、最後にもう一度、しっかりこの窓からの風景を見ておきたいと思います。


 ポストカード販売等でお世話になった廃線間近の十和田観光電鉄・三沢駅と、妻の実家がある八戸駅の通過は見届けておきたかったのですが、舞い散る雪に阻まれて写真はこれが精一杯でした。


 下り「北斗星」とのすれ違いもこれが最後のシャッターチャンス。
 息を殺して待ち構えていたのですが、やはり雪に阻まれて、よく分からないうちに走り去っていってしまいました。


 真夜中3時、先月に続いて今回も日詰駅に一旦停車しました。
 何か長期に亘る施設工事などが行われているのでしょうか?
 日詰を出たところで、そろそろ少しだけ仮眠しておくことにします。


 まだ夜も明けぬ早朝5時前、松島湾が近付くあたりで車窓に手を合わせました。
 この付近、東北本線では数少ない津波による被災箇所です。


 仙台を出てすぐの長町~太子堂間、車窓に仮設住宅が並んでいます。
 軒先の明かりに生活感が感じられ、尚更胸が痛む風景です。


 有名な船岡、白石川堤の「一目千本桜」。
 こうして最後尾デッキから眺めるのが密かな楽しみだったのですが、残念ながら満開の花をここから見ることはもうできません。


 東白石駅通過。
 この白石川沿いの風景も大好きな眺めでした。


 福島に着く少し前、雪雲の隙間から朝陽が差し込んできました。
 福島到着6時13分、今朝は約15分ほどの遅延です。


 いつもはもっと遅めの時間に行くことにしているのですが、今朝は6時半、営業開始のアナウンスと同時に食堂車の席に着きました。
 今回は列車自体が割と空いていたようで、食堂車も4人掛けテーブルは全て空席、2人掛けテーブルだけが全て埋まっている程度でした。
 「洋食ですね!」「スミマセン和食で…」「食後はコーヒー?」「ミルクティー…」
 席に着く前から決めていた注文ですが、顔なじみの男性アテンダントさんが気を利かせて言い当ててくれたものを全て否定してしまったようで、ちょっと申し訳ないような気がしました。


 県境の高い鉄橋を渡って栃木県に入ると、まだ新しい補修痕が随所に見られました。


 山間部を抜け黒磯を過ぎるとすっかり春の風景です。


 こういう構図で新幹線との交差を見るのも難しくなりそうです。


 尾久を過ぎて終点・上野に着く直前、今となっては懐かしい緑色の新幹線が横を追い抜いていきました。
 この窓から眺める最後の(?)新幹線にふさわしい、一瞬、昭和に戻ったような束の間の遭遇でした。


 20分ほどの遅延で上野到着。
 年明け以降、上下合わせて8回乗って、定時に着けたのがまだ一度しかないのですから今冬の気象条件の厳しさを改めて感じさせられます。
 そういえば私のことを「遅延王子」と名付けたのも他ならぬ件の友人でした。
 今回もまた遅れたと知ったらきっと笑って喜んでくれそうな気がします。

 13番線ホームに降りると「食堂車終日禁煙」の大きなポスターが貼られていました。
 「北斗星」開業24年、何より大きく変わったもののひとつが世間をとりまく喫煙事情かも知れません。
 私も含めてタバコが苦手な向きにとっては、ちょっと大袈裟に言えば「四半世紀越しの悲願達成!」といったところでしょうか?


【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(Mobile)
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(PC)

>>道新ブログ「北の駅の待合室 ~北斗星と旅した300回~」も公開中!併せて御覧下さい。(PC)



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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 17:12 │北斗星乗車記

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