【北斗星乗車記★彡】リピーター・イラストレーター鈴木周作の旅日記 › 北斗星乗車記 › 【12.1/12】北斗星(下)●北斗星4連泊の旅・最終夜
2012年01月12日
【12.1/12】北斗星(下)●北斗星4連泊の旅・最終夜
乗車395回目●12.1/12発 下り「北斗星」 上野→札幌(B個室ソロ)
初めての「北斗星」車中4連泊の旅もいよいよ最終夜。
細かな遅延やアクシデントはありましたが、ともかく無事にここまで繋がってきてまずはホッとしています。
あとはこのまま札幌に戻るだけ。
青森あたりの雪の具合が気になりつつも、まぁ、途中打切りにさえならなければと、ちょっと余裕の心持ちだったのですが…。
初めての「北斗星」車中4連泊の旅もいよいよ最終夜。
細かな遅延やアクシデントはありましたが、ともかく無事にここまで繋がってきてまずはホッとしています。
あとはこのまま札幌に戻るだけ。
青森あたりの雪の具合が気になりつつも、まぁ、途中打切りにさえならなければと、ちょっと余裕の心持ちだったのですが…。
それが原因というわけではないのでしょうが、今朝雨漏りを起こしていた11号車のB寝台車は検査上がりの別の客車に差し替えられていました
ロビーカー、食堂車は今朝と同じ車両のままですが、凍結していたシャワーは復活、暖房もちゃんと効いていてすっかり快適でした。
郡山を過ぎてからパブタイムの食堂車へ。
一昨日の晩と同じになってしまいますが、今夜もビーフカレーを頂きました。
やはり長旅の疲れが溜まってきているのか、フォークとナイフで頂くお料理よりも、ついつい流動食?に手が出てしまいます(笑)。
オーダーストップの22時半、気が付くと最後の一人になっていたのでそそくさと退散です。
目が覚めると青森信号場、10分少々の遅延のようです。
今はそれほど降ってはいないようですが、積雪はかなりの量になっていました。
青森信号場を出ると次第に雪が激しくなってきました。
蟹田到着は5時少し前。
遅れているとはいえ一昨日よりは早いので、上り急行「はまなす」も、津軽線の一番列車もまだホームに姿はありませんでした。
積雪のせいか列車は重くゆっくりとした足どりで青函トンネルを目指します。
例の「津軽線」から「海峡線」へと向かう高架橋に差し掛かると、右手前方に急行「はまなす」の光が見えてきました。
ところが、その光はなかなか近付いてくる気配がなく、やがて歩くほどの速度で進んでいたこちらの「北斗星」も、遂には力尽きたかのように登り坂の途中でピタリと動かなくなってしまいました。
雪に阻まれ前に進めなくなってしまったのでしょうか?
時計を見ると5時10分。
やがて5分ほど経ったところで「はまなす」はゆっくりと蟹田方面へと動き出していきました。
一方、こちらは勢いをつけるかのように少しだけバックしてみたものの前へは進めず、また動かなくなってしまいました。
5時56分、遂に列車は進むのを諦めて後戻りを始めました。
「北斗星」に乗ってバックするのは私にとっても初めての経験です。
ちょうどこの高架橋の手前にある新中小国信号場まで、いつもなら一瞬のうちに通り過ぎてしまう距離を10分ほど掛けてゆっくりと戻ると、隣の線路には雪まみれの黄色い除雪車が待ち構えていました。
「大雪の為、前進できない状態です。この先、除雪車を先行させる為、一旦駅に戻りました。この先の到着は大幅に遅れる見込みです…」
6時07分、信号場に着くとすぐに状況説明の車内放送がありました。
反対方向の貨物列車が動いているところをみると、やはり雪の重さも加わって先程の登り坂を登りきれなくなってしまった…ということのようです。
「津軽今別まで除雪車を先行させて、今別ではけて、勢いでダーッと行けると思いますので、スミマセンもう少々お待ち下さい…」
様子を眺めつつロビーに座っていたら、通り掛かった車掌さんが改めて説明して下さいました。
こういう大変な状況でも、はつらつとした爽やかな応対ぶりが印象的な若い車掌さんでした。
列車は停まったままですが、6時半にはいつも通り食堂車の営業が始まりました。
6時45分過ぎに津軽線の上り一番列車、7時25分には同じく下り一番列車。
他にも北海道からの貨物列車が何本も通り過ぎていきました。
列車が停まっている事を除けば、外でも内でも普段通りの朝が動き始めていることがちょっと不思議な感覚でした。
除雪作業の状況や終了の見込みは車掌さんが逐次放送で知らせて下さいました。
おかげで長時間停められたままの不安感はかなり拭われた気がします。
6時56分、何度目かの放送で概ね30分程度での除雪終了見込みが伝えられた後、「各方面お乗換えのお客様、札幌方面お急ぎのお客様、車掌にご申告をお願いします…」とのアナウンスがありました。
例によって函館から先行の特急列車に乗り換えられるよう手配して下さるのだと思いますが、これほどの遅延となると、南千歳・札幌から更に先の接続まで含めて、具体的にどの列車になら乗れるのか乗れないのか、特に地上の指令担当の方は苦慮されていたことでしょう。
「除雪作業終了致しました!まもなく発車致します…」とようやく放送が流れたのは7時25分。
外はもうすっかり明るくなっていました。
青函トンネルに入る前、現在2時間半ほどの遅延で札幌到着13時半頃の見込みとの放送がありました。
8時20分頃、青函トンネルを抜けたあたりで食堂車に行ってみました。
特にこういう大遅延の時は営業時間が変わったりすることもありますから、とにかく余裕を持って早めに行っておくに越したことはありません。
どうやら津軽海峡の北海道側でもかなりの積雪だったようですが、今朝はすっかり晴れて穏やかな空模様です。
「北海道北斗市、茂辺地駅に停車しております…」
途中何度か列車行き違いの為の臨時停車がありましたが、今日の車掌さんはその都度、市町村名も添えて駅名をアナウンスして下さいました。
地元の方でなければ耳慣れない名前ばかりですから、ちょっとしたことですが有難い配慮です。
遅れは徐々に広がって、9時29分、3時間弱の遅延で函館到着。
あらかじめ車掌さんに申し出ていた希望者には、ここから9時30分発の札幌行き「北斗5号」の指定席が用意され、乗り換えられるよう手配されていました。
「北斗星」からのお客さんが全員乗り終わるのを待って、「北斗5号」は2分ほどの遅れで慌しく発車。
続いて9時35分、「北斗星」も後を追うように函館を後にしました。
遅延の時は思わぬところで停まってしまうこともしばしばです。
10時頃、大沼国定公園内、小沼の湖畔で臨時停車。
その後すぐに上り「スーパー北斗」がすれ違っていきましたから、大沼駅から先、大沼公園駅方面への単線区間を前にしての行き違い待ちだったようです。
ともあれ沿線屈指のビューポイントでの小休止、観光客の方々にとっては思わぬサービスだったかも知れません。
大幅遅延で札幌着が午後になってしまう為、食堂車ではモーニングタイム終了後、今日に限ってランチタイムの営業が行われると車内放送がありました。
営業開始11時半、オーダーストップ12時で営業終了は12時半。
メニューはビーフカレーのみとの事ですが有難い配慮です。
考えてみれば昨晩もカレーですが、せっかくなので行ってみることにしました。
ちょっと驚いたのはランチ用のメニュー表があらかじめ用意されていたこと。
確かに長距離列車では遅延時の食事は切実な問題ですから、こういうケースも想定されていたんですね!
急ぐ用事がない時であれば、ここまで遅れが拡がってしまえば、むしろまったり、のんびりした気分になるものです。
噴火湾を眺めながら、個室でゴロゴロと過ごす時間もなかなか悪くありません。
登別を過ぎた後、13時05分頃、白老駅で臨時停車。
ここで後続の札幌行き「スーパー北斗7号」に道を譲ります。
函館を1時間以上後の10時40分に出た列車、改めてその俊足ぶりに驚かされます。
ようやく札幌に近付く頃には冬の短い陽はもうすっかり傾きかけていました。
札幌到着は約3時間半遅延の14時42分。
この大遅延が4連泊の途中ではなく、最終日だったのは幸いでした。
遅延に巻き込まれたお客さんや関係者の皆さんには申し訳ないのですが、個人的には「北斗星」との想い出がまたひとつ増えて、何とも不思議な満足感と共に旅を終えることができました。
初めての「北斗星」車中4連泊、実は4夜とも同じ5号車のB個室「ソロ」、オハネ25-552という番号の客車でした。
列車の中で何泊もしながら目的地を巡っていく、海外のいわゆるクルージングトレインの旅もかくやと思うとちょっと愉快な気がします。
2時間以上の遅延ですから払戻しの対象ですが、払戻しをお願いすると切符は回収されてしまいます。
勿論、払戻しは辞退して記念に切符を頂いてきました。
今回の旅の寝台券4枚、全部揃えて大切に取っておきます♪
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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 19:03
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