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【北斗星乗車記★彡】リピーター・イラストレーター鈴木周作の旅日記 › 北斗星乗車記 › 【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で

2011年05月21日

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で

乗車375回目●11.5/21発 下り「北斗星」 上野→札幌(B個室ソロ)

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 ともかく今回は震災・運休後の「北斗星」の再開をひと通り見届けるのが目的でしたから、上野に着いたその日の折り返し下り列車でそのまま札幌に戻ります。
 私がこの列車に特別な思いをもって取り組んできたのは皆様ご承知の通りですが、自分としてはあくまで「移動手段」として、つまりは仕事であれプライベートであれ、あくまで現地に目的があってその為の足として利用するというのがささやかな拘りでした。
 今回のように乗る事自体が目的というのは、実はかなり珍しいケースです。
 恐らくは3年前、減便・廃止となる旧「北斗星1号」の最終便に乗りに行った時以来でしょうか?
 いつも以上に大勢のファンの方々がカメラを構えて見守る中、「つなげよう、日本。」のスローガンを掲げた機関車に牽かれた再開2日目の下り「北斗星」は定刻通り上野駅を発車しました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 往路よりは若干乗客も多いようですが、見たところB寝台車などはまだ1両に数人程度。
 それでも1人用B個室「ソロ」はほぼ満席だったようですから、一般の観光客、用務客よりも、やはり今夜乗られているのは「再開を待ちわびていた熱心な北斗星リピーターさん」が多いようです。

 往路同様、徐行運転による遅延の可能性も予告された上での運転再開でしたが、思いのほか順調に走り続けています。
 手元の時計で21時53分、定刻通り郡山発車。
 時刻表上では1分後の54分、実際には大抵「北斗星」と同時に発車していく磐越西線・喜多方行きの快速列車も、いつものように駅構内からしばらく傍らを併走し、やがて左手にカーブを描いて遠ざかっていきました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 テーブルを見ると、昨年暮から使われていた立派な革表紙のメニュー表が消えていました。(→10.12/19参照
 提供されるメニュー自体は以前と変わっていないのですが、これも何か長期運休の影響だったのでしょうか?

 往路の上り列車では食堂車の営業がありませんでしたから、こうして車内で温かい食事を頂くのも久々です。
 何を頂くかちょっと迷いましたが、やはり昨年暮のメニュー変更以来、すっかりお気に入りの「煮込みハンバーグ」を選びました。
 顔なじみのアテンダントさんとも震災前以来の再会。
 未だ震災で苦しんでおられる方々も多い中、「嬉しい」などという言葉を使ったら叱られるかも知れませんが、2カ月以上にも及んだ運休中の不安な時期を乗り越えて、こうして皆さんが元の職場に戻ってきて下さったことを私も心底喜ばずにはいられませんでした。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 仙台手前、車窓左手に見える幾本もの電波塔。
 以前は色とりどりにライトアップされた美しい姿が夜空に浮かんでいたのですが(→09.2/2参照)、今は赤い標識灯が小さく点るばかりです。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 ほぼ定刻…手元の時計では僅かに2分ほど遅れて仙台に到着。
 今朝の上り列車では気付かなかったのですが、1番線ホームの壁面タイルには痛々しい補修跡が残っていました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 定刻23時30分より若干遅れて仙台発車。
 月の綺麗な夜でした。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 手元の時計で2時07分に上り「カシオペア」、続いて2時18分に上り「北斗星」がすれ違っていきました。
 昨晩同様、いつもより数分程度は遅いものの、上下ともさほど大きな遅延にはなっていないようです。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 青森手前で目が覚めると外は雨が降り始めていました。
 早朝4時20分頃、やはり若干の遅延で青森信号場に到着。
 いつものように切り離されていく機関車の姿がいつになく頼もしく感じられました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 見ると、すぐ隣には貨物会社の赤色の電気機関車「EF510」が停まっていました。
 詳しい方ならご存知の通り、「北斗星」を牽くJR東日本の「EF510」の設計母体になった車両です。
 同じ形の機関車でも、色によってこんなに印象が変わるものかと改めて感心してしまいました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 多分、運休前には以前は無かったような気がするのですが…
 1号車デッキの貫通扉に「貫通妻開戸掛金忍錠の取り扱いについて」なる説明書が貼られていました。
 震災翌日の3月12日(土)に予定されていたダイヤ改正に伴う編成変更で、これまでは基本的に編成最後尾(または最前部)に連結されていたこの車両も編成中間に組み入れられる可能性が増えたことから、車両基地での入換作業に備えてこのような説明が用意されたのだと思われます。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 やはりダイヤが若干乱れているのか、いつもは海峡線内のトンネル内ですれ違う青森行きの上り「はまなす」が、今日はトンネルを出たところで停車していました。
 よく見ると、いつもはB寝台車が連結されている函館側の編成最後尾に今日は普通座席車が連結されていました。
 ちょっとしたレア編成です。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 函館手前の6時28分、「徐行運転の為、7分ほど遅れて運転しております…」と朝一番の車内放送。
 遅延は森時点で5分に縮まり、八雲手前では「遅れを取り戻して時間通りの運転となっております…」とのアナウンスが流れました。

 いつものように洞爺を過ぎたあたりで朝食の食堂車へ。
 やはり久々なので随分迷いましたが、以前頂いたパンの美味しさが懐かしくて今朝は洋食を選びました。
 こちらも基本的に昨年暮のリニューアル時と同じメニューですが、唯一、デザートが小樽のプリンから夕張メロンゼリーに変わっていました。

【11.5/21】北斗星(下)●折り返し、再開翌日の北斗星で
 人が線路に立ち入ったとかで、登別を過ぎたところで緊急停車がありましたが、その後は順調に回復して南千歳では3分遅延。
 終点札幌にはほぼ定刻通りの到着となりました。
 再開2日目(日付を跨いだので3日目と言うべきでしょうか?)、しかも日曜日とあって、札幌駅には大勢のファンの方々が集まっておられました。
 もしかしたら…とは思ったのですが、案の定、熱心な「北斗星フリーク」の友人も息子さんを連れて来られていました(笑)。

 11時32分、車両基地へと引き上げていく「北斗星」のテールライトが見えなくなるまで見送りながら、曲がりなりにも、ようやく戻りつつある日常の有難さを改めて考えさせられました。
 この列車と、列車で働く人々の安全と、そしてこの列車が一日も長く走り続けてくれることを今は只々祈るばかりです。


【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(Mobile)
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(PC)

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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 19:03 │北斗星乗車記

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