【北斗星乗車記★彡】リピーター・イラストレーター鈴木周作の旅日記 › 北斗星乗車記 › 【08.11/28】北斗星(下)●惜別の旅
2008年12月05日
【08.11/28】北斗星(下)●惜別の旅
320回目●08.11/28発 下り「北斗星」 上野→登別(B個室ソロ)
顔なじみのアテンダントさんが近々乗務を降りられると伺いました。
いつも素晴らしい笑顔の接客ぶりが印象的な方でした。
いわゆる「リピーター」になってしまうと、一期一会という言葉もつい忘れてしまうもの。
この列車で、この人たちとずっと一緒に旅を続けられるような錯覚すら抱いてしまうものですが、でも旅には必ず終わりがあって、そして持てる時間は自分が思うより遥かに短いものなんだと、そんなアタリマエの事に改めて気付き愕然となる事もしばしばです。
せめて絵描きとして、この列車に携わられた皆さんが本当に「良かった!」と思って下さるような作品を少しでも長く描き続けていけるよう、気を引き締めて取り組んでいかねばと改めて考えさせられました。
顔なじみのアテンダントさんが近々乗務を降りられると伺いました。
いつも素晴らしい笑顔の接客ぶりが印象的な方でした。
いわゆる「リピーター」になってしまうと、一期一会という言葉もつい忘れてしまうもの。
この列車で、この人たちとずっと一緒に旅を続けられるような錯覚すら抱いてしまうものですが、でも旅には必ず終わりがあって、そして持てる時間は自分が思うより遥かに短いものなんだと、そんなアタリマエの事に改めて気付き愕然となる事もしばしばです。
せめて絵描きとして、この列車に携わられた皆さんが本当に「良かった!」と思って下さるような作品を少しでも長く描き続けていけるよう、気を引き締めて取り組んでいかねばと改めて考えさせられました。
上野発車後、すぐに食堂車にシャワーカードを買いに行ったのですが既に長蛇の列!
オフシーズンだと思って油断していましたが、さすがに金曜の夜は混むみたいですね。
パブタイムの食堂車。
かなり混みそうだと覚悟していたのですが、意外とすぐに座る事ができました。
臨時列車でしょうか?福島では同じホームの反対側に旧型の寝台電車が停まっていました。
もう随分前になりますが、私も一度だけ、今はなき上野発青森行きの「はくつる」であの電車に乗った記憶があります。
ベッドの幅はむしろ「北斗星」より広い位なんですが、3段寝台なので寝返りを打つのも大変でした。
しかし今夜もまた妙な列車とぶつかるものですねぇ…。
今の季節、日の出は函館を過ぎてから。
列車の遥か後ろから、追いかけるように朝陽が差し込んできました。
晴れ渡った空に穏やかな湖面、雪を抱いた駒ケ岳。
下り列車に乗るたびに楽しみな大沼国定公園の車窓風景、今日も大当たりでした。
モーニングタイムの賑わいも一段落した食堂車。
東室蘭を過ぎてすぐ、ふと車窓右手の操車場に目をやると、見覚えのある青い客車が10両ほど連なって停まっていました。
それが今まさにミャンマーへと旅立とうとしている「北斗星」客車だという事はすぐに判りました。
気付いたアテンダントさん達も「アッ!」と一斉に車窓を覗き込みます。
何両かのA個室「ツインDX」に続いて食堂車が3両、数両置いてもう1両…懐かしい赤いテーブルランプはカーテンに閉ざされてよく見えませんでしたが、紛れもないあの「北斗星1号/2号」の客車たちが私達の前をゆっくりと流れ去っていきました。
ずっと一緒に旅を続けたアテンダントさんに、まるで客車たちが「さよなら」を告げているかのようでした。
登別で「北斗星」を降りるのはこれが初めて。
この駅自体、未だ訪れた事が無かったかも知れません。
郷愁漂う寝台列車が良く似合う、昔ながらの汽車駅…といった佇まいの良い雰囲気の駅でした。
先ほどの「北斗星」客車が気になったので、普通列車で東室蘭まで戻って操車場の脇まで歩いてみました。
勿論、構内に立ち入る事はできませんが、幸い敷地外の道路からでも柵越しにはっきりと眺める事ができました。
狭い厨房で忙しく動き回られるコックさん、まるで曲芸のように両手一杯にお皿を載せて揺れる車内を器用に歩かれるアテンダントさん、お酒が入って上機嫌のパブタイムの乗客達…「北斗星」の中でも最も活気溢れる車両だっただけに、灯を落としてひっそりと佇む食堂車の姿には胸が詰まりました。
それでも、ともかく最後に別れを惜しむ機会が得られた事を感謝すべきかも知れませんね。
ありがとう、「北斗星」客車…。
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(Mobile)
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(PC)
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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 09:28
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