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2008年02月28日

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…

298回目●08.2/28発 「北斗星1号」 上野→札幌(B個室ソロ)

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に… 前回(→2/13)も、前々回(→1/23)も大雪に襲われ大幅遅延。
 さすがに今回は空模様も大丈夫そうだと思いきや出発早々の機関車故障…。
 今年になって7回乗って、うち5回も遅れるとは只事ではありませんが、ダイヤ改正・減便を来月に控えた「北斗星」が最後に貴重な想い出を刻んでくれたのかな?という気もします。
 遅れたからこそ出会えた津軽海峡の朝陽の美しさ、きっと生涯忘れられないでしょう。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 来月のダイヤ改正で廃止される便とあって、発車前のホームにはカメラを構えた人たちが溢れていました。
 皮肉にも20年前、開業当初のフィーバーを想い起こさせる光景です。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 定刻通り上野を出てホッとしたのも束の間、隣の尾久駅でいきなりの臨時停車。
 その後大宮までは辿り着いたものの再び動かなくなってしまいました。
 不思議なものでこういう時、乗り合わせた乗客の間に妙な「連帯感」みたいなものが生まれたりするものです。
 機関車故障のアナウンスに、顔を見合わせ溜息をつき「困りましたねぇ…」などと言いながらも、何かをきっかけにフッと空気が緩み、気がつけば輪になって旅談義に花が咲き…なんて、見知らぬ旅人同士、こんな風に盛り上がることも昔に比べれば少なくなったような気がします。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 点検の後、1時間ほど遅れて大宮を出たものの、宇都宮の手前、雀宮駅でまたしても立往生。
 ここでとうとう機関車交換の断が下されました。
 構内配線の都合とかで救援機関車が着くまではこのまま雀宮で待機、交換作業は宇都宮到着後直ちに行うとの事。
 ふと見ると隣のホームを後続の「北斗星3号」が全速で追い抜いていくところでした。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 宇都宮で機関車交換。
 珍しい光景にギャラリーが大勢集まってきました。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 食堂車で遅めの夕食。
 往路と同じ馴染みのコックさんがおられました。
 「アンタが乗るといつも遅れるなぁ!」…とはさすがに言われませんでしたが、なぜか顔見知りの乗務員さんとは遅れ便で乗り合わせる事が多い気がします。
 と言うか、今年になって7回「北斗星」に乗って、うち5回は遅れているんですから…
 もはや日頃のオコナイというだけでは片付けられそうにありません。
 カミサンからのメールを見れば「きっと北斗星も別れを惜しんでるんだよ」と…。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 翌朝、目覚めたのはまだ薄暗い青森の蟹田駅。
 青函トンネル通過中に食堂車からのモーニング放送。
 これは珍しいぞと早めの朝食に出掛けていくと、トンネルを抜けた瞬間、目もくらむような朝陽が差し込みハッと息を呑みました。
 …初めての北海道旅行は昭和63年3月、開業1週間目の「北斗星5号」。
 青函トンネルを抜けた瞬間、黄金色に輝く雪原の向こうから今まさに昇り始めたばかりの太陽の眩しさ、神々しさに身震いしたのを今でもはっきりと覚えています。
 偶然にも今日の「北斗星1号」はあの日の「5号」とほぼ同時刻。
 大幅遅延のおかげで…などと言っては叱られそうですが、20年ぶりにあの日と同じ光景にもう一度出逢うことができました。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 いつもなら日の出前に通り過ぎてしまうはずの津軽海峡、この風景をを眺めながらの朝食というのもちょっと珍しい経験でした。

【08.2/28】 北斗星1号●機関車故障の末に…
 函館時点で約3時間半、札幌到着は約3時間20分遅れの12時39分。
 そういえば昨晩、「明日の朝は『エルム』のダイヤらしいよ」とコックさんが言われていました。
 結局一度も乗る機会のなかった「北斗星」の姉妹列車。
 その旅の雰囲気を、どうやら最後の最後に少しだけ感じさせて頂くことができたようです。

 「北斗星」が最後にもう一度、想い出を辿る時間をくれたのでしょうか?
 そうでなければ、5回も続けて乗った列車が遅れるなんてどうしても考えられません。
 そういえば引退される乗務員さんの最終乗務に乗り合わせた時も、しばしば列車が遅れていたような気がします。
 2時間近くの大幅遅延に、「『北斗星』は最後まで私を離してくれませんねぇ…」なんて笑っていた方もおられましたが、今思うとそれもあながち冗談ではないような気もします。

 「北斗星」に魂があるなら…なんて言うと笑われそうですが、私にはどうしてもそう思えてなりません。

【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(Mobile)
【北斗星の絵】イラストレーター鈴木周作公式サイト(PC)



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Posted by イラストレーター鈴木周作 at 17:12 │北斗星乗車記

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